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IPO投資|抽選で利益を狙える手軽な投資手法、おすすめ証券会社

IPO投資(新規公開株投資)は、これから上場する企業の株を「公募価格」で購入し、上場初日の「初値」で売却することで利益を狙える投資手法です。

公募価格は初値より安いことが多いため、初値で売却すると短期間で利益を得られることになります。

初心者でも比較的取り組みやすく、証券口座を準備して抽選に申し込むだけなので「株式投資の入り口」として人気があります。

本記事では、IPO投資の仕組みから当選確率を上げる方法、証券会社ごとの特徴、実施する際の注意点を記載します。


IPO投資とは?わかりやすく解説

IPO投資の意味と仕組み

IPO(Initial Public Offering)とは「新規株式公開」の略で、企業が初めて株式市場に上場し、一般投資家へ株を公開することを指します。

投資家は証券会社を通じて公募価格で株を購入し、上場初日に初値がついた時点で売却すれば利益を得られるケースが多いのです。

IPO株には、「ディスカウント」が設定されることがあります。

これは、公募価格を発行価格よりも低く設定することで、投資家に購入してもらう動機(インセンティブ)を与えることを意味します。

投資家はディスカウントが設定されることを事前に認識しているため、このディスカウント分の利益を狙うのがIPO投資の基本戦略です。


IPO投資のメリット|魅力

IPO投資には様々なメリットがあります。

メリット

  • 初値が公募価格を上回る確率が高い(過去データで約8割)
  • 少額から参加できる(10万円台~)
  • 抽選方式で公平性があり、誰にでもチャンスがある
  • 作業がシンプル(口座開設・抽選申込・当選後購入)
  • 上場初日に売却すれば短期間で現金化可能

IPO投資のデメリット

IPO投資にはデメリットもあります。

デメリット

  • 抽選に外れることが多く、当選確率は低い
  • 必ず利益が出るわけではなく、損失リスクもある
  • ディスカウントを設定していないと思われる銘柄もある(上場ゴール)
  • 人気銘柄ほど当選倍率が数百倍になる
  • 資金拘束が発生する証券会社もある
  • 証券会社ごとにルールや資金拘束が異なる

デメリットがあるとは言え、「労働力(シンプルな作業)を提供すれば利益が出やすい」ため、やりたいと思う人も一定数います。


IPO投資の流れ|個人投資家向けステップ解説

IPO株を手に入れるための基本的な流れを理解しておきましょう。

抽選申込から購入までは証券会社によって若干の違いはありますが、基本的な流れは同じです。


証券会社の口座を開設

IPO投資を始めるには、まず証券会社で口座を開設する必要があります。

ポイントは「複数口座を持つ」ことです。

1社だけでは当選チャンスが少なく、銘柄によって公募していない証券会社があるのが普通ですので、最低でも5~10社程度を用意するのが基本戦略です。


抽選申込(ブックビルディング期間)

IPO株の需要調査期間を「ブックビルディング」と呼びます。

投資家は希望数量を申し込みます。この時点で資金が必要な証券会社もあります。後日、証券会社はこの情報をもとに抽選を行います。


抽選・当選発表

抽選の結果、以下の3つに分かれます。

  • 当選:  購入申込が可能
  • 補欠当選:繰上げ当選の可能性あり
  • 落選:  次回銘柄に挑戦

抽選で当選すれば購入申込が可能となり、補欠当選の場合は「繰上げ当選」を待つことになります。

一部の証券会社は「全員補欠扱い」とする方式を採用しており、形式的には落選がないように見えます。


購入申込

当選後に購入手続きを行います。ここで資金が必要になる証券会社が多いです。


上場初日

株式市場に上場すると「初値」が決まり、売却するか保有するかを選択できます。

短期利益を狙う人は初値売却、長期保有を狙う人は成長性を見極めて保有するのが一般的です。




証券会社ごとのIPO投資ルールの違い

IPO株はどの証券会社でも同じ条件で申し込めるわけではありません。

ここでは「資金拘束」「申込数量」「抽選方式」の違いを整理します。


資金拘束の有無

  • 申込時に資金が必要な証券会社(例:SMBC日興証券、マネックス証券、SBI証券)
  • 抽選時まで資金不要な証券会社(例:大和証券、東海東京証券)
  • 当選後に入金でOKな証券会社(例:野村証券、みずほ証券)

初心者は「資金不要タイプ」を活用すると効率的に複数銘柄に申し込めます。


申込数量の上限

証券会社によっては「最低単位(100株)」しか申し込めない場合があります。

大量に申し込みたい場合は、上限なしの証券会社を選ぶ必要があります。

一部の証券会社では大量に申し込むと当選確率が高くなる場合があります。

  • 約20万円相当の申込数量が上限(例:野村証券、みずほ証券)
  • 口座残高が上限(例:SMBC日興証券、SBI証券、大和証券、三菱モルガンスタンレー証券)

抽選方式の違い

  • 完全抽選(マネックス証券など)
  • 優遇抽選(SMBC日興証券のステージ制など)
  • 完全抽選(ポイント制あり)(SBI証券)

IPO当選確率・利益を上げるコツ

IPO投資は「運」も関わりますが、戦略的に当選確率を上げることは可能です。


主幹事証券会社を狙う

IPOの大半の株数を扱うのは「主幹事証券会社」です。

野村証券やSMBC日興証券は主幹事を務めることが多いため、口座開設は必須です。


複数証券会社から申込

1社では当選確率が低いため、複数社に同時申込することが必須です。


ライバルが少ない証券会社を選ぶ

知名度が低い証券会社では申込者数が少ないため、相対的に当選しやすくなります。


資金拘束のある証券会社を活用

資金拘束がある証券会社は「気軽に申し込みにくい」ため、ライバルが減り、当選確率が上がる傾向があります。


長期戦略を立てる

SBI証券の「IPOチャレンジポイント」のように、外れ続けても将来的に当選しやすくなる制度を活用します。


IPO情報サイトを活用

以下のサイトの評価を参考に抽選申込を検討できます。

やさしいIPOのはじめ方
庶民のIPO
96ut.com


評価の悪い会社は申し込まない

初値がどうなるか誰にも分かりませんが、評価の悪い会社は初値が公募価格を下回ることもあるので、過去の実績からするとトータルで見て作業時間と利益が釣り合わないと私は考えています。

上記のIPO情報サイトの評価を見るのが手っ取り早いでしょう。


目論見書をしっかり読む

結局は投資は自己責任です。


当選しやすいおすすめ証券会社

筆者の経験から「当選しやすい証券会社」を紹介します。


野村証券(筆者評価:★★★★★)

主幹事が多く当選機会が多い
店頭配分もあるため大口投資家向け


SMBC日興証券(筆者評価:★★★★★)

IPO取扱件数が多い
主幹事が多く、主幹事以外でもチャンスがある
ステージ制により長期利用者が有利


三菱UFJモルガン・スタンレー証券(筆者評価:★★★★)

競争率が低い案件が多く、穴場的存在


SBI証券(筆者評価:★★★)

取り扱い銘柄数が非常に多い
「IPOチャレンジポイント制度」で落選しても次回有利
口座数(ユーザー数)が多く競争率が高い


マネックス証券・大和証券・みずほ証券・eスマート証券・大和コネクト証券(筆者評価:★★)

個人投資家への配分比率が高いが、総数は少ない
ネット申し込み中心で使いやすい

インヴァスト証券「トライオートFX」


IPO投資の作業を効率化する工夫

証券会社のURL一覧をExcelなどで作成

IPO投資で利用する証券会社のURLをExcelで一覧化しておくと作業時間が短縮できます。

また、Webブラウザのブックマークにフォルダで証券会社をまとめておくと、右クリックで全て開くことができます。


タスクをメモやリマインダーに設定

ブックビル開始日、抽選日、購入開始日、上場日など、次のタスクの実施日になる日付をExcelなどにメモしておけば、無駄にログインすることもなくなります。


Python、Seleniumを使って自動ログイン

最近は多要素認証などで自動ログインできなくなりましたが、手作業を減らす意味ではまだ使えることもあります。


IPO投資のよくある質問

分かりやすくするためにいくつか質問形式にしてみました。


Q1. IPO投資は初心者でも儲かりますか?

→ 過去データでは約8割のIPOが初値で利益を出しています。ただし必ず儲かるわけではなく、損失リスクもあります。また、ネット証券会社より高い売買手数料を設定している証券会社もあるため、利益が1〜2%程度ではマイナスになる場合もあります。


Q2. IPO投資は誰でも当選できますか?

→ 完全抽選制の証券会社もあるため、資金量に関係なくチャンスがあります。ただし、人気銘柄は数百倍の倍率になることも多いため、複数の証券会社から申込む「数打ち戦略」が必須です。


Q3. 当選確率を上げる一番の方法は何ですか?

→ 主幹事証券会社に必ず申し込むことが最重要です。さらに、資金拘束がある証券会社や知名度が低い証券会社を狙うことで、ライバルが減り確率が上がります。また、配分が少ない証券会社は抽選に参加せず、配分の多い証券会社に資金を集める方法もあります。


Q4. IPO株に必要な資金はいくらですか?

→ 最低10万円台から参加可能ですが、効率的に複数証券会社・複数銘柄に申し込むには200万円程度の余裕資金があると有利です。


Q5. 損失が出るリスクはどのくらいありますか?

→ 過去の統計では約8割のIPOが利益を出していますが、残り2割は初値が公募価格を下回るケースもあります。特に「上場ゴール」と呼ばれる企業では注意が必要です。


Q6.どのぐらいの確率で当選しますか?

→ 当選確率の高い証券会社に絞って申し込むか、配分が少ない証券会社にも申し込むかによりますが、抽選申込1つに対して当選確率は1〜2%ぐらいです。


Q7. IPO株は上場後も保有すべきですか?

→ IPOディスカウントを狙う投資戦略であれば初値売却の方針を貫いたほうが賢明です。ただし、将来性のある企業なら中長期保有も選択肢になります。


Q8. 複数証券会社で同じ銘柄に申し込んでも良いですか?

→ 可能です。むしろ当選確率を上げるためには複数社申込が必須です。


Q9. 落選が続いても意味はありますか?

→ SBI証券のように「ポイント制」がある証券会社では、将来の当選確率を上げる効果があります。


Q10. どの証券会社から始めるのがおすすめですか?

→ まずは今持っている証券口座の証券会社で始めてみてください。そして、勝率の観点では、主幹事が多い「野村証券」「SMBC日興証券」などがおすすめです。


Q11. 年間でどのぐらい利益が出ますか?

→ 最近はIPO投資で大きな利益を出せなくなってきましたが、それでも年率10%ぐらいは期待できます。



IPO投資のまとめ

抑えるべきポイント

  • IPO投資は「抽選に申し込むだけ」で参加できるシンプルな投資法
  • 公募価格が初値より安いケースが多く、利益を得やすい
  • 当選確率を上げるには「主幹事証券会社+複数口座戦略」が必須
  • 初値売却で短期利益を狙う
  • 評価の高い銘柄に絞って申し込む

IPO投資の心の安定|投資を楽しむ姿勢

IPO投資は遊びと思ってやりましょう。

心の安定メモ

  • IPOはあくまで抽選なので「外れて当たり前」と考えることです。
  • 1年間のパチスロ感覚で続ければ良いのです。

そうすれば心穏やかに投資することができるでしょう。


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