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優良株の探し方|連続増配株から見つける私の手法

連続増配株とは毎年配当を増やしている株のことです。

明確な定義は無いですが、細かいことを言うと毎年増配している株であって毎期ではありません。また、ここでは前年と配当が同じである据え置きは連続増配と見做さないことにします。

連続増配株というだけでも魅力的ですが、ここではその中から更に魅力的な銘柄を探す方法を記載したいと思います。


連続増配株から優良株を見つける方法

これは私が使うスクリーニング方法のひとつです。

連続増配株は、数千ある投資可能銘柄の中から連続増配年数でスクリーニングした結果です。

そこから投資対象として非常に魅力的な銘柄を更にスクリーニングする方法になります。


連続増配株の仮説

連続増配株の中には配当利回りが高い株もありますが、一方であまり高くない株もあります。

なぜでしょうか?
連続増配とは言え微増なのでしょうか?

配当利回りは(配当額)÷(株価)で表されますが、増配を上回るスピードで株価が上昇しているため、配当利回りが高くなっていない可能性があるのです。

つまり、連続増配株は、ただでさえ優良な株と考えられるだけでなく、株価が上昇し続けている株かもしれない、ということが配当利回りの低さから推察できます。

仮説

連続増配が続いているにも関わらず配当利回りが低い株は、株価が堅調に上昇している可能性がある。


連続増配株データの収集

ということで、実際の連続増配株のデータを集めてみました。

以下は、日本株で17年以上連続増配を続けている株の一覧です。

連続増配年数、現在の配当利回り、2013年からの株価の上昇率、そして、株価がどれだけ複利計算式に近い形で順調に上昇しているか、を表しています。

銘柄コード銘柄名連続増配年数配当利回り2013年からの株価の上昇率(倍)複利計算式との近さ
4452花王352.28%2.9
7466SPK272.91%3.6
8593三菱HCキャピタル263.72%3.6
4967小林製薬251.91%2.6×
4732ユー・エス・エス252.82%4.0
8566リコーリース253.26%2.4
8113ユニ・チャーム231.83%2.0×
5947リンナイ232.72%1.9
9433KDDI233.09%4.9
9436沖縄セルラー電話232.53%5.7
9989サンドラッグ232.80%2.8×
2659サンエー223.47%3.4×
7532パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス220.79%11.4
4527ロート製薬211.65%4.3
6370栗田工業212.26%2.9
7504高速214.04%4.4
9843ニトリホールディングス211.14%4.3
2391プラネット203.46%1.4
8424芙蓉総合リース203.60%5.1
8425みずほリース203.73%2.9
9037ハマキョウレックス192.48%4.7
3769GMOペイメントゲートウェイ181.48%20.2×
7613シークス183.57%2.4×
3844コムチュア182.99%6.8×
2502アサヒグループホールディングス172.91%2.8
4547キッセイ薬品工業172.71%2.9×

連続増配株をグラフで可視化|増配年数・配当利回りと株価の関係

これらの銘柄を、横軸:連続増配年数、縦軸:配当利回り、バブルの大きさ:2013年からの株価上昇率、色:複利計算式との近さ(きれいに自上昇しているか)、でグラフに表すと以下のようになります。

連続増配年数 vs 配当利回り
筆者作成 | 連続増配年数 vs 配当利回り

仮説通りならば、配当利回りの高い上の方ほどあまり株価は上昇していない小さなバブルになるはずです。

配当利回りの低い下の方ほど株価が上昇している大きなバブルになるはずです。

例えば、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは、配当利回りが低く、株価の上昇が大きいので仮説通りの優良株と言えます。

しかし、仮説通りでないからと言って優良株でない訳ではありません。

グラフ上の近くの株のバブルと比べて、大きさの違うバブルは、想像以上に優良な株の可能性があります

例えば、配当利回りが高く株価の上昇(バブルの大きさ)が中程度の株(例:高速、三菱HCキャピタル)は、大変好調な株と言うこともできます。

逆に、配当利回りが低く株価の上昇(バブルの大きさ)が小さい株(例:ユニ・チャーム、小林製薬)は、長期的な押し目買いのチャンスと言うこともできます。

このように、連続増配株は様々な視点で見ても優良株の可能性があるのです。



投資戦略

連続増配株に対する考え方

私の連続増配株の投資戦略は、直近の配当が多く貰える配当利回りではなく、将来の期待や安定性を踏まえて連続増配年数を重視するスクリーニング手法の位置づけです。

以下のように考えます。

  • 連続増配株のうち、配当利回りが低く株価が上昇している株は優良株の可能性が高い。
  • 連続増配株のうち、配当利回りが高く株価が上昇している株は絶好調の企業かもしれない。
  • 連続増配株のうち、配当利回りが低く株価があまり上昇していない株は押し目の買い時かもしれない。

このような観点で連続増配株から投資対象を選ぶと、かなりの確率でよい銘柄を選択することになると私は考えています。


連続増配株のリスク

業績の悪化などで連続増配が終わる可能性があります。

投資家に対してはインパクトのある出来事になりますので、売りに繋がる可能性があります。

逆に連続配当を止めてでも改善に取り組もうという姿勢と受け取られ、ポジティブに働く可能性もあります。


FAQ|連続増配株投資でよくある質問

Q1. 連続増配株は必ず優良株と言えるのですか?

A. 必ずしもそうではありません。連続増配は企業の株主還元姿勢を示す重要な指標ですが、業績や財務体質が悪化すれば将来的に減配や無配になる可能性もあります。業績や配当性向などの基本的な指標も併せて確認することが大切です。


Q2. 配当利回りが低い株は投資対象から外すべきですか?

A. 外す必要はありません。配当利回りが低い理由は、株価が堅調に上昇しているからという場合があります。そのような企業は成長力が高く、将来的に大きな株価上昇益を得られる可能性があります。


Q3. 連続増配株の代表的な銘柄はどのように調べればいいですか?

A. 証券会社のスクリーニング機能や金融情報サイト(例:日経、四季報オンラインなど)で「連続増配年数」で検索できます。また、米国株であれば「Dividend Aristocrats(配当貴族)」指数が代表的です。


Q4. 連続増配株と高配当株はどちらが有利ですか?

A. 目的によって異なります。短期的に配当収入を増やしたいなら高配当株、長期的に安定した資産形成を目指すなら連続増配株が向いています。両者をバランスよく組み合わせるのも有効です。


Q5. 連続増配株に投資しても減配されることはありますか?

A. はい、あります。経営環境の変化や業績悪化などで減配や配当停止に至るケースも過去にはありました。そのため「絶対に減配しない株」は存在しません。分散投資や定期的な銘柄チェックがリスク管理に有効です。


Q6. 日本株と米国株では連続増配株の違いはありますか?

A. 米国株は歴史が長く、50年以上増配を続ける企業も存在します。一方、日本株は歴史が浅く最長でも30〜40年程度ですが、財務基盤が安定している企業は増えています。両方を組み合わせることでポートフォリオを強化できます。


Q7. 連続増配株はいつ買うのが良いですか?

A. 一般的には「株価が大きく下落した局面」や「一時的に業績が悪化した時」が狙い目です。ただし、長期投資を前提とするならば「時間分散して定期的に積み立て購入」するのも有効です。


Q8. NISAで連続増配株に投資するのは有効ですか?

A. 非課税制度を活用できるため非常に有効です。配当や売却益が非課税になるため、連続増配株の長期保有戦略とNISAは相性が良いと言えます。


Q9. 連続増配株でも株価が下がることはありますか?

A. もちろんあります。業績悪化や市況の悪化、為替の変動などで株価が下がることは珍しくありません。ただし、配当を増やし続ける企業は市場の信頼が厚く、長期的には回復する可能性が高い傾向にあります。


Q10. どのくらいの銘柄数を持つのが理想ですか?

A. 投資額やリスク許容度にもよりますが、最低でも5〜10銘柄程度に分散させると安心です。業種を分けることで特定業界の不振に左右されにくくなります。

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まとめ

連続増配株は、株主還元を重視する企業姿勢の現れであり、長期投資における安心感を与えてくれる存在です。

さらに、その中から「連続増配株であり利回りが低い=株価上昇余地がある」銘柄を見つけることで、より優良な投資先を発見できます。

投資の本質は 「将来の成長を見極め、長期的に利益を享受すること」 にあります。

短期の値動きに惑わされず、増配と株価上昇の両輪で成長を続ける企業をじっくり育てるように投資していくことが、最終的な資産形成につながります。


連続増配株投資の心の安定

心の安定メモ

  • 連続増配年数でスクリーニングで相当絞っているので優良株ばかりと認識することです。
  • さらにその中から自分の判断で優良株に絞っているので、自分を信じることです。
  • 長期投資ですので短期の動きは気にしないことです。

そうすれば、心穏やかに投資することができるでしょう。


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