FXの通貨ペアであるオーストラリアドル/ニュージーランドドル(豪ドル/NZドル、AUD/NZD)が12年ぶりにレンジ相場をブレイクしました。
ニュージーランドが景気減速気味であり、政策金利の利下げが続いていることから、NZドル安が進んでいます。
この記事では、NZドル安における投資戦略を、豪ドルの状況を踏まえて検討します。
豪ドル/NZドルがレンジをブレイク|投資チャンスの到来
ニュージーランド経済の冷え込みと政策金利の動向
現在、ニュージーランドの景気は冷え込み、GDPなどの経済指標は低い値が発表され続けています。
それに伴い、政策金利の利下げ局面が続いています。
一方、同じオセアニア地域のオーストラリアは、景気は減速気味ですがニュージーランドほど深刻ではなく、利下げのスピードは緩やかです。
このような状況で、NZドル安が進み、豪ドル/NZドルの通貨ペアが12年ぶりにレンジをブレイクしました。

これまで継続されてきた大局的な状態が壊れるということは、構造的な変化が起こり新しい状態に移行している状況、相場に一時的に歪みが生じている状況、ということがまず考えられます。
このような状況は投資のチャンスでもあります。
豪ドル、NZドルの特徴と投資戦略
投資戦略を考える前に、豪ドルおよびNZドルの特徴、豪ドル/NZドルの通貨ペアのよく知られた投資戦略をおさらいしたいと思います。
豪ドルの特徴
豪ドルは米ドルなどの他の通貨と比較すると、以下のような特徴があります。
- 先進国の信用力の高い通貨
- 先進国通貨のなかでは高金利
- 先進国通貨のなかではボラティリティが高い
- オセアニア地域にあるため、米ドル、ユーロ、日本円などの他の地域の通貨と必ずしも連動しない
NZドルの特徴
NZドルは同じオセアニア地域の豪ドルとよく比較されます。
似ている動きをする通貨ですが、若干の違いがあります。
- 先進国の信用力の高い通貨
- 先進国通貨のなかでは高金利、豪ドルより金利が高いことが多い
- 先進国通貨のなかではボラティリティが高い、豪ドルよりボラティリティが高いことが多い
- オセアニア地域にあるため、米ドル、ユーロ、日本円などの他の地域の通貨と必ずしも連動しない
- オセアニア地域であるため、豪ドルと連動することが多い
- 世界的な不況の前兆が早く表れる(他の通貨より早めに下落する)
よく知られた豪ドル/NZドルの投資戦略|リピート取引
豪ドルとNZドルは、同じオセアニア地域の通貨ということもあり、為替相場は同じような動きをします。
豪ドル/NZドルの通貨ペアは狭い範囲で上下する特徴のあるペアになるため、この狭い範囲で売り買いを繰り返すリピート取引が最もよく知られた投資戦略です。
NZドルのほうが豪ドルより金利が高いことが多いため、豪ドル/NZドルの売りを基本としてスワップ金利を受け取りながらリピート取引をするのが有利です。
狭い範囲であることから、レバレッジも高く設定することができ、効率的に取引することができます。
豪ドルやNZドルは高金利通貨であることから、豪ドル/日本円やNZドル/日本円の通貨ペアでスワップ金利を狙った取引にも使われますが、豪ドル/NZドルの通貨ペアではスワップ金利が主体でないのが特徴です。
「豪ドル/NZドルの売りでのリピート取引」がよく知られた投資戦略です。
オーストラリア、ニュージーランドの現在の経済状況
景気減速気味の現在|政策金利の状況
コロナショック後の緩和的経済政策の結果で起こったインフレもあり、現在のオーストラリア、ニュージーランドの経済状況は後退気味です。
両国のGDP成長率は低い状態が続いており、特にニュージーランドの四半期ごとのGDP成長率はマイナスもしばしば発生しています。
以下のグラフは両国の政策金利のチャートです。

ニュージーランドの政策金利は2024年半ばから利下げに転じており、オーストラリアの政策金利より低い状態で利下げが続いています。
ニュージーランドの政策金利がオーストラリアの政策金利より低い状態は稀であり、それが利下げが続いている状態で起こっているということと、豪ドル/NZドルの値が上昇していることは極めて関連性が高いといえます。
豪ドル/NZドル投資戦略の考察|レンジブレイク後
既に豪ドル/NZドルで投資中の場合
豪ドル/NZドルの通貨ペアで投資している人の多くは、この通貨ペアが狭いレンジで上下を繰り返す性質を利用して、リピート取引を実践していると推察します。
そして、通常、スワップ金利はNZドルのほうが高いことから、豪ドル/NZドルの売りを主体にポジションを持っていると思います。
現在の状況はこのレンジの前提が崩れた状態であり、今後も利下げが続くことが想定されるため、ポジションを減らす対応を考えたほうがよいでしょう。
現時点で豪ドル/NZドルの買い
リスクはありますが、豪ドルのほうがスワップ金利が高いことと、今後もNZドル安が続くと予想するならば、豪ドル/NZドルの買いポジションを持つことも考えられます。
ただし、いずれは豪ドルのスワップ金利がNZドルより安くなることや、これまでのレンジに戻ることも想定されるため、これは避けてもよい戦略です。
仕込み開始|豪ドル/NZドルの売り開始時期の考察
現在はニュージーランドの景気のほうが後退気味であり、政策金利もニュージーランドのほうが低いことから、豪ドル/NZドルの売りで入るべきではありません。
しかし、今後は、数年後になるかもしれませんが、以下のようなタイミングが来ることが想定されます。
- オーストラリアの景気後退が加速する
- オーストラリアの政策金利がニュージーランドより低くなる
- ニュージーランドの政策金利が下げ止まる
- ニュージーランドの政策金利が上昇しはじめる
豪ドル/NZドルの買いポジションを手仕舞い、売りポジションを持ち、積み上げていくのをこのタイミングを基準にすると分かりやすいと思います。
最終目標|レンジ相場に回帰した後にリピート取引開始
現在、豪ドル/NZドルはレンジ相場をブレイクしましたが、豪ドルが高い状態が続いた後、再度レンジ相場に戻ると想定します。
このような想定通りにいくとは限りませんが、相場は循環する性質があるため、いったん、このような想定を置きます。
レンジ相場に戻ったら、レンジの外に損切りラインを置いてリピート取引を開始します。
レンジの外に損切りラインを置いているので、その損切りラインに到達しても取引を継続できるだけの資金が口座にあれば、資金は引き出しても問題ありません。
これで、想定したレンジ内で相場が動く限り、高レバレッジでリピート取引する状態が出来上がります。

このような予想通りにいく可能性は低いですが、注視しながら都度戦略を見直すとよいと考えています。
まとめ
豪ドル/NZドルが12年ぶりにレンジ相場をブレイクしました。
これは10年に一度あるかないかの投資のチャンスです。
豪ドル/NZドルはリピート取引に適した通貨ペアです。
NZドルが安くなった状態でポジションを仕込み、元に戻った段階でリピート取引を開始すると、長期的に安定した利益を得られる状態が出来上がります。
これから数年間でこのような状態を作り上げるのも面白いと思います。
よくある質問(FAQ)
Q1:豪ドル/NZドルが12年ぶりにレンジブレイクした主な原因は何ですか?
A1: 主な原因は、ニュージーランド経済が景気後退気味で、政策金利の利下げが続いていることです。これによりNZドル安が進み、相対的に経済状況が比較的安定しているオーストラリアの豪ドルに対し、豪ドル/NZドルの価値が上昇し、過去12年のレンジを上方にブレイクしました。
Q2:レンジブレイク後の豪ドル/NZドルの投資戦略として、すぐに「買い」のポジションを持つべきですか?
A2: 現在の状況ではNZドル安が続く可能性から豪ドル/NZドルの「買い」も考えられますが、レンジ相場に回帰する可能性も考慮するとリスクは高めです。リスクを取ってもよいですが、NZドルが十分に下落して政策金利も下げ止まるタイミングまで待ってから、豪ドル/NZドルの「売り」を検討し始めてもよいでしょう。
Q3:豪ドル/NZドルの取引で最も一般的な投資戦略は何ですか?
A3: これまで最も一般的だったのは、豪ドル/NZドルが狭い範囲で上下する特性を利用したリピート取引です。スワップ金利の観点から「売り」ポジションを主体に、低リスクで安定的な利益を目指す戦略がよく知られています。ただし、今回のレンジブレイクにより、この戦略の前提が一時的に崩れています。
Q4:今後の「豪ドル/NZドルの売り」ポジションを検討すべきタイミングはいつ頃ですか?
A4: 「売り」ポジションは、ニュージーランドの景気後退が底を打ち、政策金利が下げ止まり、あるいは上昇に転じ、オーストラリアとの金利差が縮小または逆転する兆候が見られた時が理想的です。長期的な投資戦略として、数年単位の視野でこれらの経済指標の変化を基準に検討するのが良いでしょう。