長期投資とは何か?
長期投資とは、時間の経過とともに安定的に上昇するものを長期間保有し続けることで、複利効果(利子や配当が再び投資に回ることで資産が雪だるま式に増える効果)の恩恵を受けながら資産を増やす手法です。
短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、じっくりと時間をかけて投資します。
発展している国に投資すれば、発展した分だけ資産が増えるでしょう。
成長している企業の株を買えば、売上や利益が増加した分だけ株価や配当金が増えるでしょう。
インフレーションによって物価が上がり通貨の価値が下がっていけば、額面上ですが貯金や現金よりは資産が増えたことになるでしょう。
現在保有しているものの価値に対して利益が上乗せされていくので、複利効果で雪だるま式に資産が増えることになります。
長期投資とは、価値が上昇するものに対して、複利効果を利用して、長期間投資する手法です。
長期投資の戦略
長期的な価値の上昇に賭ける
購入した金融商品が、現金や預貯金といった他の金融商品よりも、長い目で見て価値が上昇するという信念を持ってその商品に賭ける戦略です。
時間を味方に付ける/複利効果を利用する
人生の残り時間が長いことや、長期間使用する予定がない資金を利用して、長い期間で複利効果の恩恵を受ける、という戦略です。
インデックス連動型商品の銘柄入替/低い手数料を利用する
S&P500やNASDAQ100、日経225などは、定期的に銘柄を入れ替えて指数の質を保っています。これらに連動する投資信託やETFは低い手数料で指数に連動するように運用されるため、上昇しやすい銘柄を低い手数料で保有し続けることができます。
税制優遇を利用する
NISAや401Kなど長期投資を対象とした税制優遇の仕組みを利用します。
長期投資に適した投資対象
基本的に安定的に上昇していくことが期待できるものを選びます。
商品 | 解説/銘柄 |
---|---|
インデックス連動型の投資信託 | S&P500、NASDAQ100、日経225、香港ハンセン指数、Nifty50などに連動する投資信託 |
インデックス連動型のETF | SPY(S&P500連動)、QQQ(NASDAQ100連動)など |
その他特徴的な投資信託 | FANG+(優良なハイテク10銘柄)など |
長期で安定上昇の個別銘柄 | ※後日解説予定 |
長期投資の購入戦略/出口戦略
長期投資は10年から20年の期間を1つのサイクルとして考えます。開始した時期によって結果が大きく変わります。例えば、投資を開始した数年間が割高な期間であり、その後相場が低迷した場合、なかなか資産は増えません。そのことを考慮して購入戦略を考えます。
購入戦略
手持ちの投資資金のなかで長期投資に投資する資金を決め、時期を分けて商品を買うようにします。更に積立投資で定期的に投資することも必要です。
相場が低迷している期間の場合
数年前に下落局面があり、低位で横ばいになっている期間は長期投資を開始する絶好の時期です。長期投資のために用意した資金で数年かけて時期を分けて購入します。用意した資金で全部購入仕切ったら、給与などの一部から定期購入を続けます。
相場が上昇している期間の場合
長期投資としては若干乗り遅れた状況です。用意した資金である程度一度に購入して、後は残った資金で時期を分けて購入します。用意した資金で全部購入仕切ったら、給与などの一部から定期購入を続けます。
相場が割高な期間の場合
長期投資としては慎重になるべき期間です。この記事を執筆している2025年はこの期間に相当します。上昇することは期待できますが、下落も考慮すべきです。定期購入は続けてもいいですが、それ以外の資金の投入は避けます。
銘柄を分散する/分散された商品を購入する
長期投資を個別株で実施する場合、上昇が期待されてる銘柄を選択することは重要ですが、10銘柄から100銘柄ぐらいの銘柄数で業種などを分散させて、全体としての変動を抑えます。
または多数の優良な銘柄で構成された投資信託を選択します。
出口戦略
長期投資は「ずっと持ち続ける」ことが基本ですが、人生の節目や相場の状況によっては、部分的に売却を検討するタイミングも出てきます。
長期的相場サイクルの下落時
10年から20年の期間に一度か二度発生するような下落局面に備えて、割高な局面が続いた場合に予め一部を売却したり、下落局面と判断した場合に一部を定期的に売っていくことはあってよいと考えています。または、定期購入をしばらく止めることも選択肢としてあります。
そして、長期投資の途中である場合は下落後の低迷した期間にその資金で購入します。
ただし、下落局面が来ずに上昇し続けたりして、想定どおりにならないことがあります。
相場が想定どおりに動くかどうかに賭ける出口戦略ですので、失敗する可能性も大いにあります。
それを踏まえて少額で対応するか、割り切る前提で実施します。
お金が必要になった時
人生において自分のためはもちろんですが、家族や親戚のためにもお金が必要になることはあると思います。そのために借金するぐらいなら長期投資の一部を取り崩してもよいと考えています。
人生の終盤に差し掛かった時
人生の終盤になって給与収入がなくなったら長期投資から取り崩すことを考えますが、いざ取り崩そうとしたときが相場が下落してしている時期の可能性もあります。
そうならないために、人生の終盤に入る前ぐらいの差し掛かったときから相場が割高な時期を選んで少しずつ定期的に取り崩しすことを考えます。
人生の終盤になると投資でリカバリーするのは難しいので、欲を出さずに自分が納得する利益があれば取り崩すべきです。
長期投資のメリット/デメリット(リスク)
メリット
勝率が高い
世界は技術革新で発展し、インフレによってお金の価値は下がる傾向にあります。長期的に見ればそれらが株価などに反映されることになります。過去の歴史を見ても、戦争や天災があったとしても結果的に株価は上昇しているので、勝率は高いと言えます。
単純な手法
簡単に言えば長期間保有しておくだけの手法なので、投資していることを忘れなければ問題ありません。
デメリット
長期低迷のリスク
日本の「失われた30年」やアメリカのITバブル後のように長期低迷期は資産が増えないことになります。それを考慮して購入商品や購入時期、投資資金を考える必要があります。
資産が拘束される
急な出費や他に投資したいものがあっても簡単には取り崩せないので、それらとは別の拘束される前提の長期投資用の資金で運用すべきです。
長期投資の心の安定
長期投資の成功には、メンタル面が非常に重要です。以下の点を意識することで、心の安定を保つことができます。
心の安定メモ
- 戦略とリスクは単純なので、後は買った銘柄が上昇することを信じることです。
- 長期の投資であるから、短期の下落は気にしないことです。
- 一部の余裕資金を投入しているだけだということを認識することです。
- 過去の事例を踏まえて考えられた戦略なので、これが最善の策だと信じることです。
そうすれば、心穏やかに投資することができます。